COLUMN

窓リフォームの種類別に比較!効果と費用

窓リフォームの種類別に比較!効果と費用

窓のリフォームには、大きく分けて3つの選択肢が用意されています。それぞれに得られる効果が違い、コストも変わってくるので、窓をリフォームする目的と予算にあった種類や方法を選ぶことが大切です。
お住まいの状況によっては選択できないリフォーム方法もあるため、リフォーム後に最も理想とする形を実現できるリフォームの種類を見つけてみましょう。

窓リフォームの種類による工法や効果と費用の違い

窓のリフォームの種類には、以下の3つの方法があります。

・壁を壊して土台から作り直す方法
・カバー工法
・内窓を設置して二重窓にする方法

それぞれの特徴やコストを見ていきましょう。

壁を壊して土台から作り直す窓リフォーム

壁を壊す窓のリフォームは、好きな場所に好きな窓を取り付けることができるなど、3つの中で最も理想を実現しやすい方法です。土台から作り直し、元々の窓の設置位置を変更できるので、住んでから分かった理想の窓位置に修正できます。

特徴

窓単体のリフォームではあまり採用されることはありません。家全体、フロア全体をリフォームする際によく選択される方法です。そのため、他の方法と比べてコストはかかりますが、この方法なら取り付けたい場所に窓を設置し直すことができます。

メリット

・住む人に最適な窓位置にリフォームできる
・壁を壊すことで見えない場所にある不具合にも気づける
・断熱材の追加など断熱工事も同時に行える

壁を壊す施工の特性上、簡易なリフォーム以上の効果を期待できるのがこの方法の特徴です。経年劣化する断熱材を入れ直したり、追加したりすることで、住宅性能を向上させることができ、これまで以上に室内の過ごしやすさを感じられる住まいになります。

また、普段目にしない壁の内部などに生じたシロアリ被害にも気づけるため、最小限の被害のうちに対処できるのも大きなメリットです。さらに、壁の内部のカビの発生にも早期で気づけるので、湿気の溜まりやすい場所への対策ができます。リフォームの時点で対応策を講じられれば、健康被害を防ぐことにつながります。

デメリット

・工期中は生活ができない
・コストが大きくなる
・防音・防塵対策が必要
・理想を求めすぎて耐震性が下がる可能性がある

当然のことですが、壁を壊しての施工するため工期中は別の場所で生活しなければなりません。工事期間中、ご自宅以外の場所で生活しなければならないことで、ストレスを感じる場合もあります。

また、簡易なリフォームではなく、ほぼ作り替えに近いリフォーム方法であるため、コストは大きくなってしまいます。窓位置を変えるほどの大工事となると、内装だけでなく外壁まで全て撤去する必要があります。
サイディングや石膏ボードのパネルだけではなく、クロス・床材などの材料費はもちろん、廃材処理や足場費用も必要になるため、窓だけのリフォームでこの方法を行うのはあまりおすすめできません。

さらに、工期中の「音」と、壁を壊す際に発生する「塵」が生じることで、少なからずご近所に迷惑をかけてしまうのも、この方法のデメリットといえます。

そして、採光や開放感を得るために、窓を大きくしたり、数を増やしたりすると住まいに不具合が発生しやすくなる点にも注意が必要です。壁には家の強度を保つ役割もあるため、部分的に切り抜かれてしまうことで強度が下がってしまうのです。以前よりも大きな窓になれば、当然壁の面積が減ってしまうので強度が落ちてしまいます。そのため、別途耐震補強が必要になるケースもあります。

コスト

小窓を1つ移設する場合でも10万円以上の費用が発生します。掃き出し窓の場合は40〜50万円が一般的です。

下表は、壁を壊すリフォームの際にかかる一般的な価格相場(商品+工事費)になります。

効果

壁を壊す窓リフォームは、住んでみて分かった改善ポイントを踏まえ、理想とする形に作り直すことができるため、暮らしやすいお住まいへと変身させられます。窓の位置や大きさへの不満を解消できるのは、この窓リフォームでしか実現できません。
また、同時に他のリフォームも行うことでコストを抑えることができます。

カバー工法で既存の設置位置を活かす窓リフォーム

既存の窓枠を活用して、新しい窓を取り付けるのがカバー工法です。大幅なリフォームは必要なく、自分好みの窓に変えたいというケースに最適のリフォーム方法になります。

特徴

壁を壊す窓リフォームのように、窓位置を変更することはできませんが、既存の窓枠の範囲であれば窓を小さくすることはできます。外部からの視線が気になる場合や、既製品のシステムバスの採用時の窓リフォームなどは、主にカバー工法で対処されています。

・FIX窓
・ガラスルーバー窓
・片上げ下げ窓
・すべり出し窓

これらの窓に変更することで、プライバシー確保のほか、採光や換気も改善できます。

メリット

・短期間でリフォームできる
・騒音や粉塵が少ない
・窓の歪みを修正できる
・足場を必要としない

カバー工法で窓のリフォームをした場合、施工中の騒音や粉塵の心配が少なく、工期も半日程度と比較的短い時間で完了します。

経年による住まい全体の歪みによって開閉しづらくなった既存のサッシも、上から新たにサッシを被せることで歪みの修正が可能。隙間風の対策にも最適です。

また、カバー工法は内側から施工するため、工事用の足場を必要としません。

デメリット

・窓のガラス面が小さくなる
・マンションの場合、施工ができないケースもある

既存のサッシの上から新しいサッシを取り付けるため、従来よりもサッシが占める面積が大きくなってしまいます。そのため、ガラス部分の面積が少なくなってしまうのがカバー工法の大きなデメリットです。

元の窓が小さい場合、ガラス面が小さくなると室内の採光が減ってしまい、全体的に明るさが落ちてしまいます。そのため、小さな窓にカバー工法を採用する際には、反射性の高い壁紙を用いるのもおすすめです。採光性が落ちても問題がないことを確認した上で取り入れるようにしましょう。

また、カバー工法を施工できないケースとして、マンションの窓のリフォームが挙げられます。国土交通省が掲げている「マンション標準管理規約」の中に、以下の規約文があります。

(引用元:マンション標準管理規約 国土交通省

分譲マンションの場合、各部屋にある窓は「共用部分」として扱われるため、住民は勝手にリフォームすることが許されません。もし窓のリフォームを考えている場合は、事前に管理組合に確認し許可を受けた上で行う必要があります。

コスト

一般的には、カバー工法での窓リフォームは低コストで行えます。腰高窓で17〜27万円、掃き出し窓で34〜41万円程度となっています。ただし、断熱工事も行う場合はこの限りではありません。

下表は、カバー工法でリフォームした際にかかる一般的な価格相場(商品+工事費)になります。

効果

カバー工法は、既存サッシを撤去することなく窓のリフォームができるため、処分費用が発生しません。また、お住まいの内側からの施工なので、足場を組む必要もありません。このことから、低コスト・短工期で窓リフォームができます。

窓の歪みを修正でき、隙間風も止められます。最新の材料を使うことで断熱性・防音性も確保できるため、短期間で窓のリフォームをしたい方におすすめです。

内窓設置で二重窓にするお手軽窓リフォーム

既存の窓に大きく問題はないものの、住んでから分かった「外部の音」や「断熱性の悪さ」が気になったなら、大々的な工事を必要としない内窓の設置がおすすめです。

特徴

内窓は、既存の窓の内側にもう一つ窓を設置して二重窓にすることで、室温の変化を抑えられるという特徴を持っています。しかし、1ヶ所内窓を設置するだけでは効果を実感しづらいため、一般的には部屋にある窓すべてに内窓を設置することが十分な効果を得るための重要なポイントになります。

カバー工法と同じく、既存の窓に対して施工するため、工期がとても短いのも内窓設置の特徴といえるでしょう。しかも、内窓に使用されるフレームは樹脂製のものが主流であるため、断熱効果が非常に高く、防音効果にも優れています。

ちなみに、樹脂はアルミに比べ1000分の1の熱伝導率といわれており、この事実から断熱効果の高さが証明されています。サッシの質感にこだわりたい場合は、木製の内窓を設置することも可能です。木製サッシは樹脂よりもさらに効果が高く、アルミの2000分の1の熱伝導率と言われています。

メリット

・断熱
・遮熱
・結露対策
・防音
・防犯
・マンションでも施工可能

内窓を設置することで、居室空間は直接外気の影響を受けなくなります。もともと取り付けられている窓と内窓によって作られた空間が緩衝材の役割を果たしてくれるため、居室空間は外気からの影響を受けずに済むというわけです。これによって、結露防止にもつながります。

さらに、内窓を設置することで気密性も上がり、防音効果も高まります。また、冬場の暖房で温められた空気をしっかり室内にとどめられるようになるほか、遮熱性の高いガラスを選ぶことで夏場の暑さも軽減できます。これらによって省エネ効果も期待できるのです。

内窓を設置することで、防犯効果も高まります。空き巣の約6割が1階の窓を割って侵入しているといわれますが、警察庁が持つ「住まいる防犯110番」内に記載の(財)都市防犯研究会センターのデータによると、元泥棒の50%以上が「侵入に5分以上かかる場合は諦める」といったそうです。また、約1分間のうちに7回以上の騒音を出すことを嫌うといいます。1枚の窓ガラスよりも、内窓を設置することで侵入までの時間も騒音回数も増えるため、内窓そのものが防犯の役割を持つわけです。

内窓の設置は窓のリフォームでありながら、既存の窓に直接手を加えないリフォーム方法なので、マンションの管理組合などに許可を得る必要がありません。

デメリット

・部屋が狭くなる
・開閉の手間が増える
・掃除の手間も増える

内窓は、既存の窓よりも室内側に張り出して設置しなければならず、室内空間が内窓のサッシ分狭くなってしまう点がデメリットになります。

そして、窓の開閉が2段階となるため、窓の開け閉めに必要な手間が増えます。内側の窓と外側の窓の2つの窓を開け閉める必要があるため、これまでより面倒に感じることもあるでしょう。さらに、窓ガラスやサッシが2つになるため、掃除の手間も2倍になります。

コスト

他の窓リフォームに比べると、内窓の設置はとてもリーズナブルな方法です。施工時間についても、窓1つに対して1時間程度でできるので、内窓の設置で今ある問題を解消できる場合はぜひ検討してみましょう。

下表は、内窓を設置する際にかかる一般的な価格相場(商品+工事費)になります。

効果

工期が短く、ローコストで効果を実感できるのが内窓設置の大きなポイントになります。また、マンションであっても施工可能です。防音効果は、外からの騒音だけではなく、室内から発する音を外に漏らさない効果も期待できるため、騒音によるご近所トラブルを回避することにもつながるでしょう。

冬場の結露で、毎日何度も窓を拭き上げなければならない場合にも、内窓を設置することで結露の発生そのものを抑制する効果を期待できます。特に、内窓には結露が発生することは少なく、室内の防カビ効果にも内窓設置の恩恵を得られるでしょう。

まとめ

窓のリフォームをお考えの場合は、まず「どんな悩みを抱えているか」を明確にしてみましょう。その悩みを解決する最良のリフォーム方法を使って、理想のお住まいを実現してみてください。

・全てを理想に近づける壁を壊す方法
・既存の窓を生かしたカバー工法
・物件を選ばずに問題解決できる内窓の設置

窓のリフォームには大きく分けてこの3つの種類があります。
あなたのお悩みを解決できる、最良の窓リフォーム方法を見つけてください。